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の家が多い。
このグループの建築年代は、文政・天保頃の建築と推定できる家があることから十九世紀初−天保ころにあてる。この時期は細部に新旧の手法が混じっており、過渡期であったと考えられる。
第?グループ(弘化−明治初)
対象家屋五棟
特色は、1構造柱の密度が低い。2側柱の省略がすすむ。3でいり上部、いどこ寄りの構造はC型にすすむ。4上屋の高さが増す。5座敷は二室以上が普通になり床・棚がつく家が多くなる。6二間の開口部は差物でなく鴨居を使う家ができる。7開口部が多くなる。8雨戸が一般的になる。9ねどこの奥行が増して一間半以上になる。10かんな仕上げが普及する。
このグループの建築年代は、弘化・嘉永に建てたと伝える家や弘化の善光寺地震からかなりはっきりする。
第Vグループ(明治末)
対象家屋一棟
特色は、1二階部分の充実。2外観の変化。3内縁になる。4二間の開口部は差物でなく鴨居になる。5ねどこの奥行が二間になる。1、3、4の特徴は第?グループでは大型の家にのみあって、一般の家にはなかった。二階建ての外観にして正面部分を美しく飾るようになる。建築年代は明治四十年火災後、同四十一年またはそれ以後である。
第Vグループは、前グループの参列型の家にみられた手法が一般化し、白馬村民家が最終的な型に達した点である。このような型は明治初期にはまだ普及していないから、参列型の家にくらべて少なくとも三十年の開きがあることになる。
白馬村民家の特色
六 平面と構造の特色および分布
白馬村民家としてもっとも特色があるのは調査の範囲では第?グループ(十八世紀中−十八世紀末)と第?グループの一部である。
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